本誌の名「文莫」の文字は、これを鈴木朖の筆なる扁額からとって、縦に置きかえたものである。この語は、『論語』述而篇の、「文莫吾猶人也」とある句中の「文莫」の二字を連語として解したことによるもので、その意味は、朖の著『論語参解』によれば、「黽勉ト同音ニテ、同シ詞ナリ、学問脩行ニ出精スル事也」という。あるいは彼の座右の銘ではなかったかと思われる。
目次
(復刻)『活語活用格』(鈴木朖旧蔵本、安藤直太朗氏蔵本)
『御国詞活用抄』(東洋文庫蔵、岩崎文庫本)
(参考資料)
田中道麿と御国詞活用抄・・・・・・・・・・・・・・・・・・・筧 五百里
活語活用格の再発見とその性格・・・・・・・・・・・・・・・・岡田 稔
(解説)『活語活用格』の成立 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・尾崎 知光
附一 東洋文庫本『御国詞活用抄』について
附二 『御国詞活用鏡』について
『文莫』第五号を記念して、全冊を『活語活用格』の復刻特集にあてることになり、その編集を私に依嘱せられた。この書は鈴木朖の国語学の中心となった著作で、しかも稀有の幸によって焼失をまぬかれ、今日に伝へられてゐるものである。
(註:文莫第五号の残部は少ないですが、同じ掲載内容を『活語活用格』として出版しています。)
附一 東洋文庫本『御国詞活用抄』について
附二 『御国詞活用鏡』について