本誌の名「文莫」の文字は、これを鈴木朖の筆なる扁額からとって、縦に置きかえたものである。この語は、『論語』述而篇の、「文莫吾猶人也」とある句中の「文莫」の二字を連語として解したことによるもので、その意味は、朖の著『論語参解』によれば、「黽勉ト同音ニテ、同シ詞ナリ、学問脩行ニ出精スル事也」という。あるいは彼の座右の銘ではなかったかと思われる。
目次
一、『改正読書点例』の位置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・野村 真木夫
二、鈴木朖三題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・福島 邦道
一、鈴木朖肖像画
二、言語四種論(駒沢大学文学会刊)
三、時枝誠記「本居宣長と鈴木朖─初山踏と離屋学訓について─」
三、[参考]
言語四種論(柳園叢書本)
鈴木朖『言語四種論』は、もとより日本語の語分類とその派生関係の検討をめざしたものではありながら、日本語と中国語を対照的にとらえる姿勢をも示そうとしている。そのような鈴木朖の学問体系において、「漢籍読」を主題とした『改正読書点例』は、漢語学と日本語学の干渉を具現するものとしてとらえられる。
一、肖像画
二、言語四種論(駒沢大学文学会刊)
三、離屋学訓 時枝誠記「本居宣長と鈴木朖」
─初山踏と離屋学訓について─